【第7期】第5回グローバルプロフェッショナルズ 講座記録

2012年9月15日

【開催概要】
■人間力講座
 「人間力育成講座「ブランドで組織の壁を乗り越えろ」
 講師:上條 憲二 株式会社インターブランドジャパン エグゼクティブ

■マーケティング講座
 「地方放送局の戦略」
 講師:加藤宏一郎 KSB瀬戸内海放送 代表取締役社長


1.第5回人間力講座

「人間力育成講座「ブランドで組織の壁を乗り越えろ」 
講師:上條 憲二氏

【前半部分】
インターブランドという会社はロンドン生まれのブランドコンサルティング会社であり、ブランドで経営改革することを目指している。現在は世界26ヶ国、40のオフィスで事業展開している。

ブランド戦略とは事業などのタッチポイントを介した意図した「確たる評判」づくりである。昔はブランドとはマーケティングの要素の一つと理解されていたが、現在は広告やコミュニケーションだけではく、全てを表現し、企業から見ればビジネス戦略そのものである。
VALUEATIONという考え方がある。どこかのブランドの名前がついていれば5000円で取引されても、無ければ100円であった場合、差額の4900円はそのブランドの価値となる。インターブランドが発表したGlobal Bland Top100 2011年では、1位はコカコーラで7兆円、2位はIBMと続き、日本企業では11位のTOYOTAがtopであった。日本企業・グローバルブランドTOP30 2012年では1位トヨタ、2位ホンダ、3位キャノンであった。これが、日本国内のみでランキングをつけると1位NTTdocomo2位MUFG3位softbankとGlobalと日本国内、その違いは明らかである。

ブランドとは何か。それはただロゴマークを作るというものだけではない。色、名前、音、、、、様々なものがある。ブランドとは例えるなら頭の貯金箱のようなものである。ロゴマークはその鍵である。ただ、会社名が羅列しているのではなく、ロゴマークを見るとその企業のイメージなどを連想することが速くなる。その連想されたイメージ、つまり「頭の中」にブランドは存在する。BMWと言えば高級な外車だとか、ディズニーなら楽しそう、など個々の頭に存在するものである。例えば人であれば、あの人ってどんな人?ではなく、あの人ってこんな人だよね、というものが無くてはならない。ブランドを創るということは、お客様の頭の中に「評判」とうハンコを押すようなものだ。

ブランドは「機能」と「情緒」の融合から生まれる。より人に対し情緒的な影響を与える程、ブランドは強固となる。機能的に優れていても後から真似をされることはあるが、情緒的な価値は独自性が高い。ブランド力が無い場合、同じ店であっても「安い」「家から近い」などの理由で選ばれるかもしれないが、ブランド力があれば(好きであれば)そういった条件がなくても特定の店を選ぶ。要は嫌いな人の親切よりも好きな人の無理が良いのである。
そもそもブランドは牛をどこの牧場の所有か識別する記号から始まり、だんだんその牧場の品質は良い、その記号は品質の証といったように発展したと言われている。ブランド(評判)は、最初は単なるネーミングだったものが様々な事業活動を通じて、付加価値がつくことによりブランドになる。ブランドは発信者たる企業側と受け手となるお客様の間に成立するものであり、お客様はブランドをその接点全てから感じ、製品や広告だけではない。
強いブランドとは、企業側の約束が社員を通じて全てのタッチポイントを介してお客様に届いている。対して弱いブランドは部門間や社員、経営層間で言っていることが違うなど、企業の意図が正しく伝わっていない。(例えば、質を提供する、フレンドリーさを提供するなど、別々のことをしている。日本では社長と専務が言っていることが違うことが多い。)

さて、意図して「確たる評判」をつくるには、「ブランドの基本的枠組み」、「事業活動」、「ブランドシンボル」の3つの連動が必要である。「ブランドの基本的な枠組み」としてまず、ブランドがどんな姿でありたいかという基本コンセプトである①ブランドコンセプトがあり、これがブランドのこんかんである。そこから②ブランドプラットフォームを作成する。これは、どんな目的(ブランドビジョン)をもって、どんな手段(ブランドミッション)で、どんな結果(ブランドバリュー)を提供するかを明文化する。最後にブランドらしさを発信する為の言い方や見え方を定めたルールである③ブランドパーソナリティーがある。
ANAを例にとってみると「お客様と共に酒匂の喜びを創る」というVisionがあり、「思いやり、機転によりお客様本意の対応を心がけ、お客様との双方向のコミュニケーションを行う」というMission、「あんしん、あったか、あかるく元気!」というValueがある。これらを社員一人一人が自分たちが何をもってこれができるかを考えている。整備員がフライトの際に手を振るのもANAが始めた。
ブランドを人に例えてみると、個性がブランドパーソナリティー、頭がブランドビジョン、心がブランドコンセプトなどである。個性や人柄により服装が決まる。これはトーン&マナーである。

【後半部分】ブランド戦略の為の設計図
ブランド戦略を立案する為のステップ
1st・・・自分たちは今、どこにいるか、現状を把握する。
外部、内部環境を把握し、好きになってもらうにはどうすれば良いかを考える。
(参考)孫子の言葉「彼を知り、己を知れば、百戦あやうからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負し、彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ずあやうし」
環境分析(PEST)、競合環境、お客様の動向、内部経営環境を調べる。
2nd・・・何が問題か、どうすればいいか
クロスSWOT分析を行う
3rd・・・どこに向かうべきか。何を、誰に、どうやって、、、という戦略立案を行う。
何を(what)→何が提案できるかというプロポジションリストを作成する。該当製品についてメリット(機能など)・ベネフィット(情緒)を列挙し、リストを見て独自性、主張性がありユニークなものを選択。ブランドビジョンを考える際には30文字以内、なるべく短くシンプルに作成する。それを達成するためのブランドミッションを考え、ブランドバリューを考える。日本企業は機能的なものが多いが情緒的なものも組み入れる。
誰に(Who)→ターゲットを決める。
4th・・・具体的にどうすべきか
ブランドステートメントを作成する。
最後に活動の検証を行い、次に何をすべきかの施策修正を行う。

【ケーススタディー】
オリックスバファローズを例にクロスSWOT、プロポジションリスト、ブランドビジョン、、、、最後にブランドステートメント/スローガンを作成。

【発表内容】
① 山本さん
プロポジションリスト
「チームワークから生まれる感動(美しさ)をお届けします」
ビジョン
「何度でも復活できるところをみせて日本を持ち上げる(?)」
スローガン
「はいあがれ、もう一度」
② 森さん
スローガン
「大阪下町バッファローズ」
③ 野島さん
ビジョン
「DNAが裏づける、スピリットがここにある」
スローガン
「野球スピリットがここにある」


2.第5回マーケティング講座

「地方放送局の戦略」
 講師:加藤宏一郎氏

【グループディスカッション①】
4月以降、何かの影響を受けて、学ぶ、楽しむ、うまくいっていることについて
【発表】
① 山本さん
所属するプロダクトマーケティング部にて、ここで学んだことが活かせた。ローカライズの大切さを学んだ。
② 勝村さん
セミナーで聞いた、SPORT FOR SMILEという難民でサッカーをしている活動を聞いて、内紛が絶えない社内で駅伝を実施した。
③ 野田さん
7月にシェアハウスに引っ越した。いろんな人と生活するので、自分にはない考えを学べている。
④ 小田さん
ここで学んだことをビジネスに活かしており、順調にいっている。
⑤ 赤井沢さん
うまくいかないことを楽しむことにしている。覚えられないことがあったら、忘れた事をリストにしている

KSB瀬戸内海放送ではミーティングの最初にGood & Newsを話し合うことにしている。人間の能力を引き出す為に、良かったことは何か、気づいたことは何か、問題点を話し合う前にうまくいっていることを話してもらうことにより自己高揚感を高める。
KSB瀬戸内海放送はテレビの先にある地域のメディアを一緒にして地域の文化を伝えたいと考えている。知識にマーケティングソリューションを提供したい。これらの思いは採用活動のパンフレットなどにも表現している。らぶせと・・・瀬戸内海の環境を良くするためには、まず住んでいる私たちが関心を持つ事が大切。
以前は地域のTV局というのはハンディ―だと思っていた。しかし、地域に住んで地域でやりがいがある仕事ができるというのはメリットではないだろうか。
社内では学びや健康に力を入れている。自身が玄米を食べ始めてから健康的になり、仕事にも良い影響が出てきたことから、社員にも健康的になってほしいと思い、食堂を作った。現在までに業績も上がっており、営業キャッシュフローはTOPである。
また、自分の部署外のことを問題提起することを推奨しており、「凄い会議」というものを導入した。うまくいっている会社はこれを問題点を経営を前進させるツールとして使っているからだ。
会議では、まず、問題点について何故問題となっているのか(WHY)ではなく何が問題か(WHAT)を考える。そして、どのようにすれば解決できるか(HOW)を考える。会議では①提案、②リクエスト、③質問、の3つしかしてはいけないというルールを設けている。そのようにしながら問題を解決していく。

【ディスカッション2】
あなたは仕事を通じて学んでいますか?どんなことを学んでいますか?あなたにとって学ぶとはどんな意味がありますか?
【発表内容】
① 七条さん
営業で様々な業界のことを学んでる。学ぶとは生き抜く為の手段
② 川副さん
理想と自分とのギャップに対しどうするかを学ぶ。学ぶ事は本能であり、知的好奇心を満たすこと。
③ 助光さん
以前とは違う新しい業務に取り組んでいるので、知識や情報など必要なものを学んでいる。働く以上「学ぶ」ことは当然ことであり、生きている限り学び続ける
④ 富坂さん
18歳の時から仕事をしながら学んでいる。現場の人の仕事がやりやすいように取り組んでいる。

現在、経営者として私が目指しているイメージは「Leader Developing Leader」である。Leaderと主体的に創造性を発揮している人であり、Developはその素質を解き放してあげるということである。
人は現状に対して目標を持つが、その先にあるビジョンを持たなくてはならない。ビジョンを持つことによって目標が達成しやすくなる。しかし、ビジョンははかなく消えやすい。人に語りづづけることが大切である。

【推奨書籍】
インプロする組織 中原淳(東京大学 大学総合教育研究センター 准教授) 三省堂


議事録担当:近藤 美也子