第8期第5回目の講義議事録

第5回グローバルプロフェッショナルズ 議事録
日時:9月14日(土)10:30~18:00

【開催概要】
第一部

演題:ブランドと人間 -ブランド戦略を考える/ブランド戦略立案のための設計図
講師:上條 憲二
インターブランドジャパン

■「ブランドと人間 -ブランド戦略を考える/ブランド戦略立案のための設計図」
まず冒頭に「A brand is living business asset」という認識を確認したうえで、ブランドの7 Principlesの解説があった。
すなわち-
1)ブランド・オーナーは、自ら「目指す姿」を語れるか?
2)顧客のアンメット・ニーズを捉えているか?
3)ブランド名を聞いて、独自の姿をイメージできるか?
4)Brand Proposition(ブランドが、顧客に最も伝えたいもの・コンセプト)
5)Brand Experience(Brand Propositionを体現するための仕組み)
6)Brand Engagement & Communication(ブランドの社内浸透と社外コミュニケーション)
7)Measure & Feedback(KPIとして成果を測定し、新たなサイクルへ)

ブランドは、頭のなかにあるイメージであり、ステーク・ホルダーの具体的な行動を促すものである。
その行動によって価値を体験いただくことで、ステーク・ホルダーのなかに確固たる評判、存在感を確立することができる。情緒的に好きになっていただける強いブランドは「らしさ」を備えており、簡単には真似されない。このようなブランド・ロイヤリティーは、①長期的な収益の源泉、②競合に対する参入障壁、③流通への取引テコ、④新しい顧客に与える安心感、⑤マーケティング・コストの削減といった豊富なメリットをもたらす。

では、強いブランドとは何か。それは、企業の意図が、ブランドのタッチ・ポイントをつうじて顧客に届くことである。企業と社員の認識が一致し、社員が企業の意図を顧客に伝えていくことである。そして、強いブランドを築くためには、「ブランド原則×事業活動×ブランド・シンボル」、これら3つの連動が重要である。

このあと、「1st.自分たちはどこにいるか」、「2nd.何が問題か、どうすればいいか」、「3rd.どこに向かうべきか」、「4th.具体的にどうすべきか」という、ブランド戦略立案のための設計図にそって、ワーク・ショップを実施した。各受講者が名案を紡ぎだし、大いに盛り上がった。

第二部

演題:中国にける資生堂マーケティング戦略
講師:太田 正人
資生堂

■「中国にける資生堂マーケティング戦略」
資生堂の売上構成は、国内化粧品事業51.8%、グローバル事業46.9%、その他1.3%である。また、世界89の国・地域に展開している。グローバル市場のなかでも、特に中国は市場の成長率が極めて高い。したがって、中国事業の成否が、資生堂に与えるインパクトは大きい。

資生堂は、順調に中国市場での売上、シェアを伸ばしてきた。成功要因は、①共産党の本拠である北京市と「第一次生産技術協力」により「華姿」ブランドを発売したこと、②中国デパート専用ブランド「AUPRES」を発売したこと(現在、約400億円の売上)、そして③化粧品専門店事業を幅広く展開していること、である。チャネル別ブランド・マーケティングとして、トップ・デパート、一般デパート、近代薬局、専門店、商城、ハイパー・ドラッグそれぞれにブランドを展開している。また、資生堂は、その強みを十分に発揮できるよう、ターゲット・セグメントを、プレステージ、マステージとしている。

しかし、順調に成長してきた資生堂の中国事業は、2012年に初の売り上げ前年割れを記録した。

欧米メーカー、韓国メーカーの激しい攻勢に加え、2012年9月の反日運動のあおりを受けたのが要因である。
資生堂は、「OMOTENASHI」をベースに、他社にないBeauty
Consultantという圧倒的な強みを活かし、これから再生を進めていく。また、ただ単に売上、シェアを上げるだけではない。リスク管理、CSR活動にも力を注いでいる。コーポレート・スローガン
「一瞬も、一生も、美しく(一瞬之美、一生之美)」を実現させ、世界中の女性たちに喜びを届ける。
日本発グローバル・カンパニーである資生堂の活躍は、今後も続いていく。

講座のなかでは、講師と受講者の活発なやり取りがあり、あっという間に時が過ぎた。