第8期第7回目の講義議事録

第7回グローバルプロフェッショナルズ 議事録

日時:11月16日(土)10:30~18:00

【開催概要】

第一部

演題:日本企業の現状とグローバル化の課題~求められる人材(財)」

講師:中津 武 (株)産業革新機構 投資事業グループ M D

■全体の論点

<問題意識>

『元気のない会社』すなわち、『寄らば大樹の陰』発想が蔓延した日本企業に将来はない。

<グローバル企業として生き残るための3つのキーワード>

①マトリックス組織運営

②ワンカンパニー化

③ハイリスク・ハイリターン型人材が活躍できる経営環境へのシフト

<グローバル人材として生き残るための3つのキーワード>

①コミュニケーション力

②発想力

③人的ネットワーク

■テーマⅠ「パワーゲームの時代 ‐日本企業の低迷要因‐」

・バブル期以降の日本の低迷期に、外国のグローバル企業との体力格差が拡大。

特に、嗜好性の強い「文明商品」を扱う企業において体力格差が非常に大きい。

「文明商品」…化粧品などの、嗜好性が強く、商品価値が習慣的に評価されやすいもの。

ローカルニーズが存在し、グローバルに画一化しにくい。

「文明商品」…機能性・技術性の要素が大きく、商品価値が客観的に評価されやすい。

グローバルな標準化が容易。

・モノづくりが得意な半面、マーケティングが不得手という日本企業の特性も、国際化の阻害要因。

・21世紀は「ボーダレス化」と「体力格差の存在」を前提とした「パワーゲームの時代」

パワーゲームの時代では、いかに先んじて大きくなるかが重要。

■テーマⅡ「日本企業のグローバル化の課題」

・大きな3つの課題がある。

①マネジメントストラクチャー状の課題

・マトリックス組織によるワンカンパニー化が必要。

・日本企業のワンカンパニー化への課題は次の5点。

-「見える化」

-S B U単位の経営管理への移行

-マトリックス組織を運営するためのマネジメントプロセス、スタンダードプロシージャ―の確立

-マイクロマネジメントを可能にするためのケーパビリティーの向上

-プロフィットプール、キャッシュフローマネジメントの必然性に応じた商流の設計。

②人材マネジメント状の課題

・多くの日本企業では、グローバルで業務を行う人も、国内と同じ給与モデルで評価する、

『日本(コーポレート)+ローカル型』の人材マネジメントシステムとなっている。

・今後、グローバル人材を登用してくためには、一定のジョブサイズ以上ではグローバル共通の

給与モデルを設置する『コーポレート+ローカル型』への移行が必然。

③ビジネスケーパビリティ状の課題

・マーケティング:分析結果の解釈について、統一見解を持つための仕組みが必要。

・TA X、キャッシュフローマネジメント

・自社のケーパビリティをどのように上げて、あるべき姿(to be)までどのように持っていくのかまで

考える必要がある。

・「元気な会社」への転換には、人事政策が最も重要。リスクテイカーにチャレンジする機会を与え、

正当に評価することが必要。

■テーマⅢ

・テーマに沿ったグループ討議を予定していたが、メンバーや山本先生からの質問が相次ぎ、

予定を変更。講師の実体験に基づく、リアルで熱い講演を聞くことができた。

第二部

演題:「グローバル競争に勝ち抜く戦略的人財」

講師:中田 研一郎  中央大学大学院 戦略経営研究科 客員教授

■テーマⅠ「グローバル人材はなぜ必要? ‐日本企業を取り巻くグローバル環境‐」

・フラット化する世界の中で、知的格差による人材の二極分化が進んでいる。

・世界の政治経済体制は多極化体制へ移行している。特に、B R IC s諸国は製品と資源、食糧の輸出

基地であると同時に、巨大国内マーケットへ成長し、世界経済のエンジンとなっている。

・東アジアが今後の経済の中心となっていく中、人口が減少しており、国内需要を喚起できていない

日本は存在感を弱めている。

・今後確実に縮小していく国内市場だけでの勝負は難しい。

上昇気流に乗ったアジアの市場を使いながら、ビジネスを維持、発展させることが必要。

・日本からの輸出を考える「国際化」ではなく、海外マーケットの受容に密着した「グローバル化」が

必要。そのためには、商品開発の現地化や、研究開発の国内外の連携が必要。

・グローバル化の必須条件は

「1.マネジメントのグローバル化」と

「2.人材の多様性とグローバル人材の育成」。

■テーマⅡ「グローバル人材とは –求められる人材要件-」

・多様性の中にあって、個人の人間性を発揮できる「グローバルマインド」を持った人材となる必要が

ある。

・グローバルマインドとは「スキル:異なる価値観を理解する」「本質:クリアな意見、意思を持つ」

「アイデンティティ:確立された個を持つ」である。

・グローバル人材の要件は、スキルや専門知識ではなく、どこでも通用する核となる能力を持って

いること。核となる能力とは「コミュニケーション力」「問題解決力」「自己責任力」。

・良いコミュニケーションのためには「Tuning力」が必要。単に聞くのではなく、周波数を相手に合わ

せて、心でメッセージを理解する力が必要。

・欧米や中国では、日本の様な「空気を読む」というコミュニケーションが割合が少ない。

そのため、しっかりとしたマネジメントスキルを習得する必要がある。

・自己責任力の3要素は「自己同一性:首尾一貫した主義主張」「自立性:自分の責任として受け

止める」「自律性:セルフマネジメント」である。

以上