第5回GP議事録(2017年9月16日)

第1部「風土を変えチーム力を高めるための“心を揺さぶる”人材育成術」

<仕事にも人生にもハピネスを呼び込もう!!> 

講師:桜井 恵里子様 (西武文理大学 サービス経営学部 Happiness Career Lab 代表)

●人材育成の問題は?
部下・後輩のモチベーションや能力が低いこと、ほめ方、しかり方がわからない。
部下・後輩が自発的に動かないなどがあげられるが、人材育成の悩みは88%改善できる。
1 お客様づくり(CS)(顧客感動)
2 やりがいの醸成ES(従業員満足)
3 人づくり 人的資源管理(HRM)
顧客満足<顧客感動<意外性が今の時代に求められ、感動を超えることが必要になってきている。

●やりがいの醸成
難しいことを達成した時など、これを考えると価値観が見えてくる。
日本企業の従業員のやる気は世界の中で何位?→最下位(従業員エンゲージメント指数)
ギャラップ社の調査結果 熱意のある社員は6%しかいない。
これらが人事としての課題(メンタルヘルス問題など)につながっていってしまう。

●内発的動機づけをどのように行うか
→自分の意志で行動したい欲求、能力を発揮して達成したい、周囲の結びつき【自立性の欲求】、
【有能さの欲求】【関係性の欲求】これを意識することができるのがディズニーの良いところ

●ディズニーにおけるやりがいの源泉とは何か
ゲストからの【ありがとうの声】、一緒に働く仲間をかけがえないと思える【一体感】
前より自分が成長していると感じられる【自己成長感】
普段ゲストに接しない裏方的なキャストでも、お客様からありがとうと言われることを実感でき
【お客様のありがとうを感じられる集団】となっている。

●ESとCSの両立
【従業員への理念新党作用モデル】を考えると、
トップマネージメントの浸透施策→理念浸透→ES=CS(ES=CSの両立)とつながっていく。
理念をどのように浸透させるかが勝負のポイントとなる。

●ディズニー流人材育成のコツとは
1 信頼し、任せて、やる気と自主性をのばす
2 マニュアルを暗記させない。

●自分を考える3つの問い(金井先生の働く人のキャリアデザインより)
1 自分は何を得意としているのか
2 自分は何を成し遂げたいのか
3 どのようなことをしているとき、自分がいきいきし意味を感じ役に立っていると思うか
→なぜそう感じたのか、自分の本質?と洞察を深める。

●リーダーに必要なことは
自分を知ることができることがリーダーに重要なこと。
自分の言葉でストーリーを語れることが最も重要なこと。
チームをまとめられるのは自分の言葉で語れる人、そういう人にはチャンスが来る。

●上司のコミュニケーションがメンバーのやる気を高める。
→上司に満足すると、仕事のモチベーションに影響が大きく出る。
コミュニケーションの深度
レベル1:挨拶 おはよう、お疲れ様の声かけ
レベル2:事実 企画などの進捗は確認している
レベル3:信条 こだわりを伝える。
レベル4:感情 不安はよくわかる、信じているなど相手の感情に訴える
→みんなでレベル4までできると、組織としてよくなっていく。

●理想の上司とは
・相談できる雰囲気がある、課題や方針を明確にできる、責任感強い、指導力育成力がある。
人づくりにおいては【労働集約型】【非正規雇用が多い】環境でその中で、
各人にいかに臨機応変な対応を自律的に行わせるか=永続的な課題

●人財マネジメントとHRM(ヒューマンリースマネジメント)とコンセプティング
ゲストの感動は、キャストの歓動(かんどう)につながる。
ディズニーMAGICにかけて、人材モデルを作っている。
また、コンセプト作りにも以下の点を理由に注力している。

1 複雑なことをシンプルにすることができる。
2 人事制度の作り手の指針となりぶれにくい
3 人事制度運用時に職場の上司や従業員の記憶に残りやすい
※双方のコミュニケーションを基幹においている

●人材教育の肝はなにか
ディズニーでは、ハピネスを提供する【これをゴールとしている】:ビジョンであり、全員が知っている。
そして、ゴールを叶えようとすることに誇りを持っている。
さらに、ディズニーの幸福は【内的幸福】で、以下行動基準(4つの鍵)によって導かれている。
① SAFETY:安全
② COURTESY:礼儀正しさ
③ SHOW:ショー
④ EFFICIENCY:効率
職場の仲間にも、ゲストと同じように扱えるかこれが、ホスピタリティの源泉と言える。

第2部「信頼」を創る戦略PR―マーケティングにおけるPRの役割―

講師:中里 忍様 (BlueCurrent Japan株式会社 戦略PRプランナー)

●PRとは
社会(コミュニティ)関心と商品・ブランド・企業などをつなぐコンテンツを作って、対話をしていくことが本質的な仕事
【目的】:新しい合意形成を作る。ビヘイビアチェンジ→属性の順位転換が重要。
【PRのピラミッド】
パブリシティ→パーセッションチェンジ→ビヘイビアチェンジこれを目指していくのがPRの仕事。
PRには、新しい価値観をそのベネフィットを明確化してアプローチして作り上げていく。
いうなれば【これまでの常識】に挑むことが一つの側面

●よい××の定義を変える為に
ブルーカレント式の戦略PRの実施は大きく戦略策定と実施展開に分けられ、全部で10ステップがある。 
【戦略策定フェイズ】 ①商品を知る ②世の中の動きをつかみ ③世の中とつなげ ④仲間を探し ⑤空気づくりを設計
【実施展開フェイズ】 ⑥勝率を調べ ⑦仲間と会話し ⑧コンテンツを生み ⑨世に放ち増殖させ ⑩効果を図る
マーケティング課題とコミュニケーションの課題を引き出したうえで、その関心テーマを
商品便益と生活者の関心事、世の中の時流からアプローチをする。
事例、食洗器、ベビーカー、制汗剤

●戦略PRの6つの法則
1.おおやけ(社会性)の担保:社会インサイト、ビックデータは新しい時代のおおやけ
2.ばったり(偶然性)の演出:情報洪水の中で、偶然出会う(であったと思う)情報の価値。
  ばったりエフェクト、(生活者の受容性を上げる。)
3.おすみつき:事実系インフルエンサー(あの人がやるのだから間違いない、専門矢野実証や実行が狙い、
特定領域の専門家やエキスパート)と共感系インフルエンサー(あの人が言うから心動かされる、心理的な
フォロー効果が狙い、セレブリティやユーチューバ、インスタグラマーなど)がいる。
4.そもそも:普遍的な問いかけにアプローチする。
5.しみじみ:しみじみさせる、感情を揺さぶり当事者意識を持たせること。
ライフイベントの中でも作り出すのは難しいけど、できるとすごいパワーがある。
6.かけておく:一般化されたコモディティ化されたものはアプローチが難しい。してやられた感。

●PRにおける信頼とは?
・ファクトベースのストーリーづくりをおこなうこと
→出典元の確からしさ、一次情報、Problem、ISSUE、AGENDAの違いを理解したストーリー
・適切なステークホルダーの巻き込み
→影響力、訴求したメッセージをサポートしてくれる正しい専門性を持っているか、
その専門家コミュニティからの評判、ステークホルダーの発信や考えをPRでいいたいメッセージに無理に寄せない。
・第3者発信
→ステマなどにならないか、メディア発信における注意も必要。
・倫理観
→PRは、生活者の価値観や、医師に影響を及ぼし、選択などの行動をかえることなので
高い倫理観を持つことが重要。

第3部「世界を動かすアブローダーズ Work/Life Integration in Hundred Life」

講師:久保田 勝美様 (ファーストリテイリングフィリピン チーフオペレイティングオフィサー)

●WORK LIFE INTEGRATION
仕事は人生を楽しむためのもの、そのために仕事と生活をよく統合していく

●自分はWORKとLIFEのバランスがよいと思いますか?
日本は働く時間も長い、30代、40代の5人に1人は60時間/働く
 
●WORKとLIFEの境目はどこでしょうか?
LIFEの中にWORKがずっとはいっている状態とは
 →休んでいるのに心配でフォローしてしまう。これはやってはいけない
 →一方で人生を楽しむ仕事をするために、勤務時間以外で自分への投資は必要
=SELF Development=WorkでもLifeでもないもの

●WORKとLIFEはそもそも明確に分ける必要があるのか?
Work/Life Integration 昔日本の会社にはあった!
2つは区切れないから、一緒に考えるという考え方が改めて出てきている。

●60年代から97年までの日本は33年契約=終身契約の仕事契約だった 昔の雇用形態。
うまくいかないこともたくさんあったが、思い切ってチャレンジできることもあった
 
●WORKにLIFEが取り込まれるのが WORK LIFE INTEGRATIONの罠

●仕事が自分のLIFEを取り込まないように気を付けるべき
→それを体感できるのは、自分でしかない。
 よく言われるのは、自発的に動いている人はブラックとは言わないけど、
 そうでない企業の場合は、ブラックとは呼ばれない。
→仕事を使って自分の生活を楽しくする。
=24時間自分のことを考える、そのなかに仕事がはいってきてもそれはWORKではない。

●WORK:仕事、LIFE:生活、SELF:自分の為の勉強などに分けて考える。

仕事面での変化が起きた時は、WORKの割合が高くなる。
転職、転勤などの環境変化においては意識的にWORKの割合が高くなって当たり前。
逆に、結婚、子どもが生まれた時などライフイベントの際にはLIFEのバランスが高くなる。
過去30年を振り返ると、75%はWORKだった!

●WORKとLIFEの中にハピネスがある。
→仕事をする中で、自分にとって大事なことは何か。これは最初にちゃんと考えるべきで、
これがかなうのであれば、WORKはLIFEを満たしていると言える。
そう考えると、WORKを通じてLIFEの喜びを得ているならWORK=LIFEの部分も大きく75%のWORKは50%に下がる。

●ワークライフバランス
このバランスを測るときは、いつのことかが大切。
今日のバランス?明日のこと?今週のこと?今年のことなど、どのくらいの意識で見えているのか考えることが大切。
何かを身につけるには4年くらいはかかる。楽しめるまで2年くらいかかる。
楽しめるところまでやってみることが大切。その期間におけるバランスをマネージする。

●SELFのポイント
積み上げないとできないことをやるべき。語学や、体を整えるとか、こういうものは、SELFとして毎日少しずつ積むべき。

●ハンドレッドライフを意識すると…
人生を100年で考えると、高齢になった時暇になってしまう。
LIFEの中にどういった活動を取り込んでいくかが今後重要になってくる。

●【生きがい】とは
生きがいを中心に考えると、【ハッピーなこと】【上手なこと】【お金を稼げること】【世の為、人の為になること】
この中に【PASSION】【MISSION】【VOCATION】【PROSESSON】これが生まれてきて、生きがいにつながる。

●海外でキャリアを作るには
行きたい地域の地理と歴史をしっかり勉強する。それをやっていくことでチャンスを捉えられるようにする。
また現地では、現地の情報を、現地が発信するメディアで取るようにすることで、現地に根差した活動ができる。
それがベースとなり、信用を獲得していける。