2012年8月11日
【開催概要】
■人間力講座
「ブランドで攻めるー日本発世界へ」
講師:岡崎茂生 北京電通広告有限公司 Executive Brand Consultant
東大教育学部卒後米国ピッツバーグ大学経営大学院 MBA取得卒後
(株)電通入社 数多くのブランド開発・企画に携わり
日本を含む主たる世界の大学・企業への指導・講演他論文多数あり。
■マーケティング講座
「予防医学&美人創出戦略」
講師:細川モモ 予防医療コンサルタント
社団法人 Lubtelli Tokyo&New York 代表理事
http://www.luvtelli.com
1.第4回人間力講座
「ブランドで攻めるー日本発世界へ」
講師:岡崎茂生氏
●岡崎氏の実績
・北京電通で数多くのブランド開発
・シカゴで行われた第一回グローバルサミットに中国代表として参加
・ハワイ大学ビジネススクールや国際大学で講演
(1)グローバルブランドをどのように中国市場を攻略しているのか
*サムスンの例*
・ブランドNameを漢字名の「中国三星」とした。ローカライズブランディング。
・CSR活動を利用し、「中国三星一心一村」とメッセージを掲げ、農村の発展(=中国の課題)をサポートしているということPRした。
・CMをストレート且つおしゃれにした。
※タイでは空港出たすぐに「Welcome to Thailand, Samsung」という看板を掲げ、現地化している。
(2)ブランドとは何か?
・「ブランドとは永遠なり」。Product, People and Advertising。
・ブランド作りがうまくいく=長期的に事業が発展しているということ
(3)ブランド構築と発展性
・Marketing=Real time operation problem solving
目的:短期
焦点:4Pを駆使した行動を変える
担当組織:事業部責任
・Branding=Forward-looking opportunity-forward
目的:長期
焦点:社会における価値観の共存
担当組織:企業トップレベル
・ブランドイメージは販売に直結。
*スタバの例*
コンタクトポイント(口コミ・経験)→ブランド価値の伝達→ブランド力(パーソナリティイメージ)→意志購入
(4)ブランド戦略は事業戦略そのもの
・ブランドイメージは、取引先・政府関係機関・投資家株主・カスタマー・社員・一般の人へのアプローチをしている。
*レノボの例*
2003年にLegandからLenovoに変更し、「Global Brandになる」という目標を掲げていた。
Emerging Marketに進出し、NECを売却しBranding Levelを向上し続けている。
役員の14名中7名はNon-Chinese。
*YingLiの例*
2010年のワールドカップに30億円の広告費をかけ「中国・英利」という漢字名で宣伝した。
当時は漢字の読める人しか分からない文字を利用していると批判を浴びたが、逆にこれが成長を促進させた。
425%アップの注目度を浴び、次年度バイエルミュンヘンの企業と提携。
*McDonaldの例*
アメリカで一番と言われているブランディング家Larry Rightが「I’m loving it」を世に発信。
McDonaldのブランドコンセプトは「Freedom within Framework」。
*Danoneの例*
多角化→スリム化を実施。コンセプトを「栄養と健康」に絞った。
(5)中国におけるブランディング
ローマ字の社名を漢字にあてはめた例
カルフール→家楽福、Nestle→雀○、Panasonic→松下、Coca-Cola→可口可○、トヨタ→○田
※ただし音読みと意味は必ずしも一致していない。
※○はワードで出てこない中国語の漢字を利用している。
(6)日本企業のブランド化の課題
1.認識意識の希薄
意志・活動事業・対応組織なくしてブランドなし、方法知らずしてブランドなし
2.「技術」があっても「売る技術」がない
3.組織の作り方が下手
・LGの場合はGlobal Brandingチームが各国のローカルを統括している
一方日本はそれぞれの国や事業部ごとにブランディングチームが分かれているため一貫してない
4.ブランドの本質論を知らない
本質価値の定義(Core Value Statement)
・Fan Family Entertainment→Disney
・Favorite Place and Way to Eat→McDonald
・Rewarding Everyday Moments→Starbucks
・Authentic Athletic Performance→Nike
↓
①事業ブランド、②ミッションとビジョンの表現、③価値と便益の約束
5.社内革新がなされてない(ベクトルの向きが同一方向でない)
*成功例*
・クレドの存在「We are ladies and gentlemen serving ladies and gentlemen」→リッツカールトン
・生姜部の発足→永谷園
・できないものはない「めっき職人」というコンセプト→三和メッキ工業
6.ブランドの革新価値がない
7.具体的な手法がない
下記のような切り口でブランディングイメージを与える
①Product(ゴキブリホイホイ、ipad など)
②Promotion(ソフトバンク)
③Sponsorship
④Symbol(有名人の起用、アニメ、色、音楽)
⑤Program
⑥Spokesperson
⑦Relevance
⑧Word of mouth
⑨Experience(ディズニー、スタバ、キッザニア)
8.ブランディングがなぜ大事か分かってない
まとめ
グローバルブランディング=ソーシャルブランディングである。
Who、What、How、Why do we do this? が基本。ブランドの構成要素はWho you are、すなわちWhy you areである。What you stand for=ブランディングである。
2.第4回マーケティング講座
「予防医学&美人創出戦略」
講師:細川モモ氏
●細川氏の実績
世界的な予防医学のコンサルタント集団「Luvtelli Tokyo & New York」主宰。世界の職と営業・健康事情に精通。最新の栄養学に基づき、講演会や栄養指導、商品開発などを行う。現在、世界一の美女育成のためタニタとタッグを組む。著書「タニタとつくる美人の習慣」
1.日本の現状
・体、心、経済、霊的を全て満たすことが重要。日本は長寿大国だが健康大国ではない。
・肥満者を雇うと健康者を雇うより2~3倍パフォーマンスが悪い。アメリカでは毎年1500億ドルの損失が出ている。
・見えざるコストこそ最大のコストである。
・米国肥満者比率が高いのはミシシッピ、ルイジアナ、テネシーなどの貧困州、逆に少ないのはカリフォルニアやNYなどの富裕層州。昨今では貧困肥満と言われている。糖尿病はもはや贅沢病ではない。
・超長寿化時代の到来。人間は最大360歳まで生きられる。
・日本は介護大国(長寿)であり、医療大国(出産前の定期健診数)である。しかしそれが崩壊しつつある。
・2015年日本の3分の1~4分の1は65歳以上。2025年には141兆円の医療費がかかると言われている。一人当たりに換算すると、月19万円必要となる。
2.必要な栄養
三大栄養素
①炭水化物B1→糖代謝→ブドウ糖(エネルギー)
②たんぱく質B6→アミノ酸代謝→心と体
③脂質B2→脂質代謝→エネルギー、細胞膜※脳の細胞の半分は油
→代謝をしないとエネルギーにならない。
・ビタミンB1が欠乏すると、脚気(かっけ)という神経性多発症になる。
※脚気とは、疲れやすい、食欲ない、むくみ、動悸などの症状から、うつ病、慢性疲労、心臓障害へと変化する病気。ペットボトル・缶コーヒー症候群とも言われる。
・尿と胆汁以外の体は全てたんぱく質からできている。たんぱく質とは20コのアミノ酸のこと。その内9つのアミノ酸は体内で作られない。アミノ酸スコアをバランスよく100にしないと意味がない。
・アルコール分解は人によって違う。GG(人口の55%)※アルコール強い、GA(人口の45%)※アルコールはそこそこ飲めるが顔が赤くなる、AA(人口の4%)※アルコール全く飲めない)
・成人病胎児発症説(母の中に居る時のお母さんの栄養状態が悪いと未熟児として生まれてきて、その後も病気にかかりやすい)
・毎日発酵食品(キムチ、納豆、ぬか漬け、かつおぶし、味噌など)を食べること。3才までにできた乳酸菌で生涯の数が決まる。発酵食品を取り続けないと乳酸菌は減少する。断食は良くない。
議事録担当:高山