第12期第10回目の議事録

第10回GP議事録(2018年2月17日)

第2部「コーセーのグローバルビジネスの展開」

講師:小林正典 様(株式会社コーセー 常務取締役/国際事業部長)

■株式会社コーセーの紹介

・1946年に創業。世界で進出している国と地域は26に、現在コアブランド20~25アイテムを保有している。
1963年にはフランスのロレアルと提携し、その後30年に渡り提携は続き、ブランド管理ノウハウなどを得た。
フランス政府からはフランスの化粧品に貢献した功績を称し、勲章を頂いている。

・コーセーはベースメークやスキンケアにおいて世界初の商品を発明している。
「美容液」や「パウダーファンデーション」という商品を世界で初めて開発したのはコーセーである。

・現在女性の価値の多様化に合わせて、多ブランド展開を行っているが、
コーセーという社名(グループ名)よりも、個々のブランド名を立たせて展開している点が特徴である。

・革新的な研究、最高級の品質、快適なデザイン、素晴らしいサービスを提供することを追求している。
今後は日本のサービスのブランド化にも注力したいと考えている。
日本の美容師の技術やハンドマッサージの施術レベルは世界でも高いが、サービスのブランド化は難しく、
まだまだ「エステだとフランスやバリ」というイメージが強い。
モノ売りだけでなく、コト消費のPlaceの提供にも注力していきたい。

・研究開発においては、都内に研究所を持ち研究員が在籍している。
化粧品業界はOEMで展開するケースも多い中、自前の研究所と工場を持っている企業は少ない。
新製品をすぐに作れる体制を構築している。
年間1,000を超える新製品を発売しているが、デザインと香料の感性の領域はすべてトップ決裁を通している。

・今後はエステなどの店舗運営やソフトの提供にも注力し、インバウンド需要に対応したい。

■コーセーのグローバルビジネス戦略の概観

・現在、世界26の国と地域で展開している。
北米ではTarteという企業がミレニアル世代をターゲットに急成長しており、
グローバルの売上をけん引している。次にアジア系や免税が続く。
課題は自前ブランドでの北米・ヨーロッパでの展開とインド・ブラジルの成長である。

・化粧品の6大マーケットを北米、EU、India×MENA、GreaterChina、Japanと設定している。
北米・ヨーロッパでは富裕層における展開が課題。
欧米では、人気のあるモデルを起用し欧米に寄せた店舗展開をする一方で、日本の良さを全面に出すライスパワーの訴求なども行っている。
特にヨーロッパでは、アイデンティティのない商品は評価されない。あまり迎合しすぎてはいけない。

・Tarteはハイパフォーマンスナチュラルがコンセプトであり、自然成分でパフォーマンスが高いものをミレニアル世代に提供している。
ターゲットがクリアであり、SNSを使った販促でクチコミを広げている。
SNS上で話題になり、流通に入るというこれまでと違う流れを作っている。
現在は自社ECを持ち世界190か国に配送を展開。速さと一般化する力が強い。捉えたらすぐに実行する力がある。

・インドはこれから成長するマーケットであることを見越してディストリビューターを使わず最初から現地法人を立て、
インド国内で完結するよう展開した。2015年からスパをイメージしたインド独自の化粧品を展開している。

・ブラジルでは、美容の価値が「髪がきれいであること」であるため、ヘアケアで進出している。

・グローバルビジネスの重要な論点は「政治・経済」「経済圏」「多様性」である。
海外に展開するときは、流行や情報、モノの流れを意識して展開する。
1国を見てどうかではなく、その地域に入ることで、他国にも良い影響が流れていく流れを意識して展開していくことが重要である。