第12期第8回目の議事録

第8回GP議事録(2017年12月20日)

第2部「イノベーションのための組織風土づくり 行動様式の改革から始める意識改革」

講師:平山 信彦様(株式会社内田洋行 執行役員・知的生産性研究所 所長)

■内田洋行・知的生産性研究所とは?

・株式会社内田洋行の知的生産性研究所において、
「働き方」と「生産性」を専門とする調査・研究・コンサルティングを行っている。

・働き方は「改革」ではなく「変革」である。経営層にとっては「生産性」、
社員にとっては「無駄な仕事をなくす」という2つのハピネスがある。

・企業の変革がうまくいっているかどうかを計るものさしは①創造性、②効率性、③躍動性の3つである。
3つ目の「躍動性」が独自の評価軸である。賢くて手際が良ければそれで充分だろうか?
元気がないと大きな動きができず、イノベーションを起こすことはできない。躍動性も重要である。

・世の中の働き方改革は、制度設計やオフィス環境、ICT、グループウェア、在宅勤務制度などの
「環境整備」に着目することが多いが、知的生産性研究所では「行動変革・知識改革」の方を専門としている。
どんなにすごいツールを導入しても肝心の社員が使いこなさないと変わらない。
ツールを使っても不利益を被らないと自信が持てない限り、人はそのツールを使わないものである。

■なぜ働き方を変えるのか?

・「他社がやっているからうちも」ではリスクにしかならない。必然性がないなら変革は不要。
長年貯めたナレッジ集積を捨てることになりかねない。

・働き方を変えないといけない外部環境要因がある。

○長期的環境要因
・少子高齢化による労働人口の減少
・多様性の拡大
・破壊的技術の登場

○短期的環境要因
・情報化の加速
・市場環境の変化
・価値化の変化

今のままで外部環境の変化に対応可能だろうか?
変革のインパクトとなる環境変化に対応できるだろうか?

■イノベーションとは?

・イノベーションは“際”で起こる。
ド真ん中よりは際に起こる。勘の良い人が気づき、事業化する。
「私の仕事はこれです(それ以外はやりません)」ではイノベーションは起こせない。

・イノベーションには跳躍型のイノベーションと、階段型のイノベーションの2つのタイプがある。
跳躍型は破壊的イノベーションであり、たまにしか起こらない。
階段型イノベーションはドローンの開発に見られるようなイノベーションで、
日々起こるイノベーションはこちらである。

 ○視点①:イノベーションの出発点となるアイデアの創出は「異なる情報や知識の新たな組み合わせ」により生まれる。
 ○視点②:素材となる情報・知識の量と質の組み合わせ方が、アイデアの質を左右する。そのプロセスでは偶発性を無視できない。
 ○視点③:アイデアは多様な視点で磨かれることにより価値を生み出すモノ・コトになり、その成果がイノベーションに結びつく。

※アイデアを出すことより、磨き上げることが大切。日本はこの部分が弱い。
イノベーターが少ないわけではないが、磨くエンジェルやフォロワーが少ない。

■イノベーションの土壌となる組織風土

・形式知情報へのアクセシビリティがスムーズ
・豊かな暗黙知を醸成する風土
・セレンディピティを誘発するノイズや交流機会が豊富
・アイデアを共有し磨く協創の風土
・創造への慣習・発案への称賛を持つ風土

■行動起点の風土改革

・行動の変化 → 意識の変化 → 風土の変化
・人の意識は変わらない。まず試してみる。動いてみる。行動が変わると意識が変わる。
マジョリティを形成すると風土が変わる。

・変革は一遍には変わらない。イノベーターに続く、アーリーアダプター(自発的高感度層)の行動変革が重要。
反対者(1~2割)は放っておく。マジョリティが8割になればいなくなる。

・イノベーター層が陥りやすいのは、マジョリティの気持ちが分からず乖離してしまうこと。
イノベーターには計り知れない、マジョリティの気持ちをどう知るか?が重要。
正しいからと言ってマジョリティがついていくとは限らない。