第9期第3回目の講義議事録

■開催概要:

・日時:2014年7月19日(土) 10:30~
①「変革期を迎えた流通業から人間力を学ぶ」
講師:青木英彦氏 メリルリンチ東京証券(株)小売セクターアナリスト
②「流通市場環境での物流概念」
講師:村山修氏 (株)物流革命 代表取締役
③「経営改革と人間」
講師:渡邊邦昭氏 (株)キャリアクエストクラブ 代表取締役社長
ウインワークス(株)代表取締役社長

■内容:

①「変革期を迎えた流通業から人間力を学ぶ」
講師:青木英彦氏 メリルリンチ東京証券(株)小売セクターアナリスト

《講師自己紹介》

・平成元年神戸大卒業後、野村総合研究所に就職。最初の配属は株式の調査に配属

証券アナリストになり、小売業セクターを担当していた。

・1992年 デューク大学にてMBA取得

・1996年 ニューヨーク支店に異動 ここでも米株の調査担当だった。ウォルマートの分析など

実際にやってみたら面白かった。

・2000年ゴールドマンサックスへ転職

・2005年からメリルリンチ日本証券へ転職

《アジェンダ》

1.  消費の現状

2.  日本におけるEコマース

3.  世界で起こった流通革新(ECRを中心に)

4.  日本における製版連携

5.  先端技術を用いた高精度な在庫管理

6.  セブン&アイ戦略試案

《消費の現状》

・直近の既存店売上動向

GMS,百貨店、CVS平均をみても、消費税増税後消費が良いとは言えない状況

・インフレが起きたとき、消費者は防衛的になる。

→低価格競争になる  ※オイルショック後なども同じ状況

・1997年のユニクロは700億円、現在は1兆4,000億円になっている

→ユニクロのように次に伸びそうな会社を探している

 

《日本におけるEコマース》

・2012年のEC市場規模:6.6兆円

・CAGR(05-12):17.4%

・2012年EC化率3.11% 米は8%

→17%の平均市場率、まだまだ伸びる余地がある

・売上推移(セブン-イレブン・ジャパン、ファーストリテイリング、アマゾンドットコムの比較)

→アマゾンの伸び率がすごい。2割の増収を続け、伸び率が落ちない

・アマゾンは総合ネット小売業へと脱皮している。

→メディアは安定的に伸びている

・アマゾンの国別売上高

→1位:北米、2位:ドイツ、3位:日本

日本は7,455億円 増収率、19%で落ちない

・アマゾンは日本の小売業売上高ランキングで13位

・講演内容からみるアマゾンのすごいところ

-戦略上重要な物流センターをオープン化している

-マーケットプレイスへの新しい出品者をみつける

-消費者の行動変化を促すサービスの開発

例)CDを買うと買ったCDのMP3をすぐにダウンロードできるようになる。後日送られてくるCDは必要ではなくなる。

※マーケティングと財務の強さがある

・アマゾンの強力なキャッシュ創出力

→66.8%のROI キャッシュフローがすごい

・アマゾンの脅威の本質は、荷姿を変えずに顧客に商品を届けることができる

サプライチェーンをやらないとアマゾンには勝てない構造になっている

・既存小売業は、2000年以降、売上高が24%減少、売り場面積が27%増加している状態

 

《世界で起こった流通革新》

・ウォルマートの食品市場進出をきっかけに業界全体のECR活動が進んだ。

食品、非食品のサプライアー、小売とでたすき掛けで勉強会を実施

※日本は、全然できていない。

・米はECRを国全体で実施した。

・結果的にスーパーマーケット各社は、ECRによって株価は上昇した

※しくみを変えると業界の影響が大きくなる

 

《質疑応答》

Q,EC化率3%をどうみているか?

  1. 日本は出遅れた感はあるが、時間の問題でEC化は進むと思う
  2. よく楽天とアマゾンが比較されるが、どのように捉えているか?
  3.  楽天はマーケットプレイス型、売り先は不特定多数、アマゾンは工業製品を不特定多数にばらまく形式、基本的に事業モデルが異なる。楽天は事業モデルが異なるのにアマゾンを意識してか物流センターを3つ作ったがそのうち1つを閉じたことからも別の事業モデルと言えるのではないか

Q.ECRはなぜ日本で受け入れられなかったのか

  1. 人の問題、組織の問題かと。物流の改革をしないままの人が経営者になっているので、自分が経営者になったタイミングでやり切れないのではないか。

 

Q,青木さんからみて良い経営者はいるのか?

  1. ユニクロ柳井さん。ドンキホーテの安田さん ニトリの似鳥さんなど基本オーナー出身者の経営者は優れていると思う。

 

 

②「流通市場環境での物流概念」

講師:村山 修 氏 (株)物流革命 代表取締役

 

<物を売るための基本構造>

通信販売の様々な業態

:返品リスクを見込んで靴・バックの販売(マルイ)

:仕入→販売(アマゾン)

:製造→販売(健康食品)

販売価格(100円)=仕入れ価格(60~70円)+利益(3割)

メーカーは4割程度の原価のため、2割程度高利益。→直接販売する方が有利

 

<物流業界の構造>

サプライチェーンにおける物流全体を俯瞰する姿勢の欠如(=日本とグローバルの差)

例1.業界事情

日本:倉庫・卸売・メーカーの縦割り構造、業界内人材の固定化

韓国:ロジスティックエンジニアの役割

例2.消費者ニーズ、販売業態

日本:ニーズの多様化、過剰包装、家電量販店等

韓国:メーカーの直売店が一般的

 

<ロジスティックと企業活動の関係性>

・需要に応じて調達・生産・販売・物流等の同期化を図ることで企業価値を高めることが可能。企業活動において、組織横断的に物流の及ぼす影響を認識することが重要。

・日本はものづくりなど物流の前段階まではトップレベルだが、物流の非効率性がアキレス腱になっている。

・根本的な解決を図ることは企業アイデンティティの否定につながり、企業はアレルギーが強いが、喫緊の課題である。ものづくりからエンドユーザーまでをつなぐ仕組みづくりに向けて、相手のニーズをくみ、相手がやりやすいところから取り組みたい。

 

 

③「経営改革と人間」

講師:渡邊邦昭氏 (株)キャリアクエストクラブ 代表取締役社長

ウインワークス(株)代表取締役社長

日本の流通業・物流の課題を通しても分かる通り、企業活動の改善には現場とボードレベルの連携を図るガバナンスが不可欠。様々な国のコーポレートカルチャーでの経験から、受講生のキャリアへの提言をされた。

 

<IBMでのキャリアを通して>

広島での営業活動

:地方都市でシステムを販売する難しさに直面

:入社同期の活躍による自己嫌悪

→人との比較でなく、自分の成長のために行動計画を立てる(カーネギー)

→地方での経験を生かし、東京で売り上げを伸ばし、GEへ。

 

<GEでのキャリアを通して>

伊藤忠との事業において、日本の社長/外資のCEOとの役割の違いを実感

30代社長として人を動かす方法を模索

:当事者が主体性を持たせる、考え形にすることが大切

 

<受講者へのアドバイス>

・転職適齢期を見極めるには?

:×不満を理由にする→同じことを繰り返す

○所属するセクションで1番になるなどポジティブな状況+前向きな動機

・キャリア形成で心掛けること

:体系的な勉強で個性を伸ばす・準備が大切(準備が十分でないと失敗する)・今あるものを当然だと思わない

:時代を理解する(祖父母~自分の世代で職業・産業構造は劇的に変化~グローバル化)

仕事の中で自分にしかできないことを身につけることが大切、かつ時代は常に変化。

:組織に応じて柔軟に対応するマインド

:業務改善など管理的マネジメントと目的に向かい推進するリーダーシップを使い分け

:問題にあたる認識を共有するためロジカルにコミュニケーション

→プロセスにおける問題意識を共有する(ロジカルシンキングの目的)

◎好奇心を持って、前向きに明るく、今やっていることを好きになるように動くことが大切。