2018年5月12日開催

☆10:30-12:00.人間力講座「企業人としてあるべきヒューマンデザイン」~グローバルプロフェッショナルズ~
講師:山本 学 (グローバルプロフェッショナルズ創造戦略プロジェクト無料公開スクール 校長)

☆13:00-14:30.マーケ感性講座「アジア進出の経営戦略とリーダーシップ」
講師:森辺 一樹 (スパイダー・イニシアティブ株式会社 代表取締役)

☆14:30-15:30 フリーディスカッション

☆15:30-16:45.特別講座 「ミッションに生きるサーバントリーダー」
講師:高本 眞一 (三井記念病院 院長)

☆16:45-.終了&講師交えての懇親会

 

①人間力講座「企業人としてあるべきヒューマンデザイン」

山本 学 先生

●実践すべきこと、意識すべきこと

・人間力を身に付ける
・3つの本質(common sence:常識、consciousness:良心、善し悪しの分別が付けられる機能、intelligence:知識、教養 自分で変えられる知性)
この3つをわきまえる。Consciousnessには鍛錬が必要
・新聞を読む
・1日15分以上の活字に触れる時間を毎日作る
・毎朝姿見の自分に敬礼!(表情は?服装は?頭の先から足の先までチェックして今日は何を成し遂げたいのか明確に。そして明日につなげる。)
・今日の成功は今日の成功。明日の成功を約束するものではない。明日の成功のために今日は何を成就させるのか。
・”つもり”は使わない
・ボキャブラリーが少ない
⇒自分が喋っている内容を80%以上理解できているものをアウトプットしているか?
80%以上を常に目指していないと成果は得られない。
完全に自らが80%以上昇華している内容は、相手に必ず伝わる。⇒80%未満は何もつながらない。
激しい競争社会でのプロフェッショナル、これからの人生の一瞬一瞬の大切な時期。⇒勉強しなさい。
6回以上反復して脳に刻み、ボキャブラリーを増やしていく。

ボキャブラリーを増やすためには活字に目を通す必要がある。
毎日最低15分
紙媒体と、デジタル媒体の記憶定着に10%の差がある⇒2005年発表の論文

ヒトは頭に残っているものは思考し行動する。頭に残っていないものは、思考に至らない

・本質的なライフデザインを!
生半可なものはNG
真剣な経験は忘却されない。
アメリカは高卒で優秀な学生を受け入れる企業がスタンダードに
トヨタ→自社愛、自社社員への思いやり 1個の人間としての人間性=これがこれからに必要なプロフェッショナル

何でも最善を尽くし、人生で常にベストを尽くすべき ⇒今日のコンディションは?80%以上ある!?
子どもに対してもそう。1000%の力でぶつかっていく

人間の短所は無視する→長所は何なのか?長所に着目する。
自社にとっての強み、それだけを徹底的に強くしていく。強みの数を増やしていく。そうすると弱みは打ち消されていく。
弱みに着目すべきではない。

お金は大きな問題ではない。
能力と行動力があればお金は作れる
言葉も大きな問題ではない。言葉ではなく情熱の有無で伝わる。
これやりたい、ここ行きたいと思ったことは実行すること

毎朝姿見の自分に敬礼!(表情は?服装は?頭の先から足の先までチェックして今日は何を成し遂げたいのか明確に。そして明日につなげる。)
今日の成功は今日の成功。明日の成功を約束するものではない。明日の成功のために今日は何を成就させるのか。今日を分析して明日の行動につなげる。
自分の声のトーンまで配慮して。⇒プレゼンの成功、相手を退屈させない組み立てにつながる。
事前に情報収集して組み立てて、自身で理解を深めた上でアウトプットする。
もらった時間の8割で全てのプレゼンを終わらせる。2割の余裕を持たせることで、相手からより意見や時間を引き出せたり、クロージングにつなげやすくなったりする。

・情報=intelligens
imfomation⇒情報ではなく伝達する
アメリカのCIA⇒Central intelligens Agency インフォメーションではない。

自分は知らなかった、気づかなかったというスタンスで!
なんで自分は知らなかったのか、、知らなかったからダメなんだというような否定的な思いは持つな!!
気づき、目覚めればそれでよい。

②アジア進出の経営戦略とリーダーシップ

スパイダー・イニシアティブ株式会社 森辺 一樹様

幼少期シンガポールですごした
2002年 新興国の調査会社を中国で操業 ⇒本社を東京に 大手企業の海外進出⇒売却
2013年 スパイダー アジアアセアンへの進出コンサル。販売チャネル、オープンチャネルサービス(海外販売の請負)・・・誰かが働いていなくても商品が売れれば売り上げが入る
ひたすらマーケティングについて話すYou Tube投稿中 >こちらをクリック

●第1章 日本企業の世界競争力
1990年代以降の日本は世界の中でイケていない⇒我々の世代はこれを打破していかなければならない

1992年 2016年
世界競争力ランキング 2位 26位
FortuneGlobal50 2位 (119社) 3位(52社)
Fortune TOp100いない企業 20社 7社

⇒中国企業の台頭。25年前、悪かろう安かろうで日本が無視していた市場、企業。
世界1位の家電メーカー ハイアール(中国)
⇒アメリカは数こそ減っているが、1992年になかった会社がたくさん入っている。イノベーションが起きている。
日本企業は守られて生き残っている。アメリカは淘汰され入れ替わっている。

なぜ、日本は世界における競争力を失ったのか?
なぜ、日本企業のリーダーシップは失われたのか?
⇒ガラパゴス化。技術力がすべてという考え方に固執しすぎたから。”競争環境”と”市場環境”の劇的な変化に気づけなかったから。
競争環境:サムスン、LGの動向。
市場環境:中国・アセアンが市場になるなんて思っていなかった。お金どうやって回収するんだという。所得を低い人たちへのアプローチがなかった。

日本 韓国 中国 欧米
機能数と品質 10 7 5 7
値段 $100 $70 $50 $150

⇒マーケティング、ブランディングへの投資で150ドルでも売れる。
apple、ダイソン
⇒日本企業の製品のポジショニングは非常に厳しい。
欧米:ドリーム・プロダクト (高い値段でも買いたい!と思わせるもの)
韓国・中国;コモディティ(誰が作っても同じもの、多くの物は時間がたてばコモディティ化していく)
日本:コモディティにもなれなければ、ドリーム・プロダクトにもなりきれない中途半端なポジション。

世界は二極化している
お金持ちはドリームプロダクトを選択   日本の製品でホンダジェットはドリームプロダクトとなりそうだが、、他は何もない。
貧困層は、コモディティを選択
ファッションもファストファッションかシャネルか。
良いものを作ることは悪い事ではないが、良いものをどうマーケティングするか。
良くて高いものがよくて安いものに勝ることもある。(消費財は違うが・・・)
※良いモノ=ユーザーが良いと思うもの。
「日本メーカーの想い」
良いモノを作って売るのではダメなのか?
国内市場で磨いた高い技術力があるではないか。
Made in JPの強み。
日本製だからアジアの人は欲しがるはずは大きな間違い!⇒「欲しい」と思う人たちは多くいる・・・しかし、「欲しい」が「買おう」にそのままつながるわけではない。
昔は、ウォークマンなど一世を風靡した日本メーカーへの憧れ、ブランドイメージが残っているが、今の日本の幼少期に感じる”かっこいい”の対象は、サムスンや、LGになっている。
このブランドをスイッチさせるのはかなり難題。

突出した技術だと勝てるが、技術のスピードはどっこいどっこい。なので技術で戦うフィールドはかなりむずかしい。

作る時代から売る時代に。
⇒2000年前後のパラダイムシフトに気づけなかった
アップルはプロダクトアウト。 市場をしっかり調査したうえで、消費者に媚びずにアップルが考えるクールを市場に投入する。
フェラーリ 供給は需要の少し下を狙え!499台しか市場に投入しないプレミア感が醸成⇒ブランディング

日本企業は、日本 対 海外 とみる。一方、アメリカからは、BRICSという言葉が出てきた。
グローバルという市場への視点を明確に持っているアメリカ。
日本は世界売上比率を言う。そうではなくて、どの国で何%かということが大切。
製造業は極端にリスクを嫌う。リスクなくゲインはない。

●第2章 先進グローバル企業から学ぶ3つのKSF

①中間層ターゲティング
現在15億人の層が、今後30億人となる中間層。
中間層を狙う4Pをしなければならない、マーケティングの新たな取り組みを
中間層に対してぶれずに本質をつくものを真剣にしなければならない(中間富裕層を狙うというような中途半端は絶対にNG)

②戦略的チャネル構築
良くある日本の方法⇒1か国1代理店政策・・・これでは、全てのチャネルを網羅できない。
アジアは近代的小売と伝統的小売がある。この伝統的小売の比率がまだまだ高いのでここを取り逃しては、儲かることはない!
中間層を狙うというブレない軸があれば、チャネル戦略も必然的に決まる

③戦略的プロモーション投資
商品を店頭に並べることと、商品を選んでもらうことは違う!

小売りの近代化⇒日本は急速に発達した。・・・電気ガス水道のインフラ、物流の近代がの上に成り立つ。
⇒アジアの小売の近代化はそんなにスピーディではない。あと50年はかかる。伝統小売りをやるしかない。
アセアンでそれ、⇒メコン、インド、アフリカはそこより遅遅としている。アセアンで得た伝統小売りへのノウハウは、そこでも活きていくので無駄にならない。

ブランディングは世界標準化し、そのベースのうえで、現地適合化しないと、ブランディングも採算をとることもできない。
日本企業は八方美人すぎる。
LUXのCMは何処の世界でも同じ髪の長い女性(世界標準化)⇒ポンプで販売すると、2ヵ月単位の投資を先にする必要がなる。だから買いやすい容量に(現地適合化)
ブランドの顔は絶対に世界共通。

チャネルへの投資とプロモーション投資の両輪でなければうまくいかない

●第3章 これからの日本企業の心グローバル戦略

“技術力がすべて”からの決別。ただし、“唯一無二の技術力”は除く
フィリップコトラーの示す”マーケティング” 入口から出口まで!
アジアを考えるときは4Pがベスト!

まとめ
Shared Distribution Channel⇒売りたいものがちがうが、売る場所が一緒の企業と結託して20年先を行く企業に追い付く!

③フリーディスカッション

マーケティングを構成する8つの機能
STP (セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)

4P⇒4C Comodity
Product Cost
Price Communication
Promotion Channel
Place

「オムニ(omni)」とは「全」「総」「あらゆる」「あまねく」という意味をもつ

インフラの近代化が10年かかると先生はおっしゃったが、3年くらいだと思う

Shared Distribution Channelが本当に良いのか。チャネルの独自性も有用な戦略では

④ミッションに生きるサーバントリーダー

心臓外科医 髙本 眞一様

必要なのは人と人との関係
常に成功ばかりとはいかないが、ミッションを大切にしていけば、自分のためだけではなく世の中のためになることができるのでは。

Ich und Du   Duは親しい人に向けた言葉。すべての人と親しくなる。
もっとも悪いのは私と”それ” 人をモノと一緒にしている。
徹底的に人と付き合い、ともに生きる
Live≠生きる   生きる=IKIRU

サーバントリーダー⇒相手に奉仕し、その後相手を導くものである。

リーダーシップの中に honesticが外国ではトップに出てくる。日本は出てこない。”正直であること”は日本人には大前提にあるものだから。
Strategic Thinking:戦略的思考
Emotional Intelligence:情緒的理性
⇒人間性、人間味
変革への挑戦

P25と26の一覧
≪Strategic Thinking リーダーの責任≫

ルーティン リーダーとしての役割
“Direkution(指針)” 問題を定義し、解決策を提供する 適応可能な挑戦を特定し、問題や課題を設定する
“Protection (防御)” 組織への外的脅威を防御する 耐えられる範囲でのプレッシャーを恒常的に与える
“Orientation (志向)” 役割や責任を明らかにする 現時点における役割に挑戦し、新しい役割が与えられることに対してのプレッシャーに耐える
“Managing conflict(争点の調整)” 争点があるときに秩序を回復させる 争点となっていることに着目し、それを表面化させる
“Shaping norms(基準をつくる)” 規範を維持させる 非生産的な規範に対して挑戦する

≪Emotional Intelligence(情熱的知性)の要素≫

定義
“Self-awareness(自己形成)” 自身の芯的状況、感情を認識・理解し、可能な限り他へ影響することを操作する能力
“Self-Regulation(自己規制)” 逆境の中でもコントロールし、立て直すことのできる能力
“Motivation(動機)” 金銭やステータスを超えたところで働く意欲
“Empathy(共感)” 人の感情を理解し、湧きたてる能力
“Social skill(社会的能力)” 人間関係を円滑に保ちネットワークを構築する傾向

ミッション=自分が何をするのかを明確に!
損だろうが得だろうが、信念を貫くことにかける。

失敗から本人も学び、上司は失敗を叱るのではなく、学びがあるように一緒に考える。
人は平等。機能は違うが。

世の中を動かすには、失敗を恐れず
Mission
Passion
Action

(受講者感想・質疑応答)
・サーバント、上司部下だけでなく、親子にも通ずる
・ご利益の益、損益の益 にもなる。ご利益の益になれるように

・医者の失敗とは
⇒企業はヒエラルキーがしっかりしすぎていて自由度がない。
もっと自由度をもって失敗のあるチャレンジができるようにすれば企業はもっと伸びる

・信頼は時間が経つとできてくるかもしれないが、その時間を教育などで賄うプログラムがあるのか
⇒プログラムはない、幹部が部下を信頼して少しずつ風土として定着させていくしかないのでは。

・ミッションの定着に向けてどのようなことを行ったか
⇒変更したタイミングで3回講演し、その後、話す機会がある度にミッションの話をした。
HPにともに生きるをテーマにした従業員のレポートを掲載した
採用試験の題目を”あなたにとって患者とともに生きるとはどういうことですか”とした

以上