日時:11月15日(土)
10:30~15:30 人間力講座「イノベーション&成長を加速するリーダーシップ」
講師:田口 力(株)TLCO代表取締役
※講師の田口力氏による著作「世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられている仕事の基本」
2014年12月16日に角川書店より発売予定。
今回の講義内容についても、広くカバーされているとのこと。
そもそも、リーダーシップは何のためにあるのか?→ “most studied but none understands”
100人、100通りの捉え方あり。自分にとってのリーダーシップとは?
【What is Leadership?】
Management vs Leadership
両方必要。
日本企業はマネージメント偏重。
GEはリーダーシップ偏重。
セスナ機がアマゾンのジャングルに墜落したら 、必要なものは?
1. コンパス→リーダーシップ。できれば、高い視点と、広い視野も。
2. 時計→マネージメント。「30分歩いたら10分休もう」
【権力と権威】
Position Powerは誰にでもある。
それを使って組織を動かすのがManagement。
それを使わないで動かすのがLeadership。
*日本企業、近年は本来使えるPosition Power を使わない傾向。
「パワハラ」になるのを恐れ。加えてリーダーシップが弱い。
歴史上、Dignityが強かった人物の例は?→イエスキリスト。
Position Powerが強かった例は?→ヒトラー。
リーダーシップは、間違っていても、人に影響を与えないだけ。
マネージメントは、間違えると大変なことになる。
【リーダー:結果を出し続ける変革者】
stretch : 今ある権限と目標の間にあるgapを埋める(stretchさせる)のは、影響力。
gapは、個人のPosition Powerだけでは埋められない。
(上司、得意先、同僚、等の協力無しには)
多くの企業は、権限に見合った目標を設定する。
GEは、DignityとLeadershipでgapを埋めようとする。
GE Valueの3つの要素 : Acumen, 専門知識の上に、リーダーシップ。
行動規範であるGE Valueの発揮が、昇進基準の50%を占める。
GEには経営企画部は無い。全員がリーダー、自部門の戦略は自分で考えは「パワハラ」になるのを恐れられなくてはならない。
戦略→現実性が無ければならない。
Implementation =履行だけでなく、Execution =遂行=成果を出さなければならない。
また、People skill もマネージメントには必要。
例えば、家を買うとき、立地、その他のスペック以上の部分、つまり営業マンの人間力が決め手になる。
ルイヴィトン、プラダはなぜブランドを保てるか。
「ブランド=Quality x Reputation」
自分をブランド化せよ。
【Authentic Leadership】
「125人のCEOをインタビュー。彼らが語ったのは、自身の能力の高さではなく、彼らがのライフストーリーや、情熱についてだった」
GEの執行役員の登用でも、ノウハウ、Skill set は当然のこと、それ以上にmind set、そして彼らのストーリーが問われる。
登用面接で最初に問われるのは「あなたの、GEにおけるリーダーシップストーリーを教えてください」
ストーリーとしての話し方のほうが、聞き手が覚えやすい。(テレビコマーシャルもしかり)
【Self Awareness】
リーダーシップ=終わりのない自分探し。
日本=自分の改善点に注視。
GE=強みに注力。
投資をするにしても、強みに投資したほうが、改善点に投資するよりROIが違う。
人間的魅力とは?→落差。お茶目感。
イチローよりは、松井、新庄。
GEのリーダーにもお茶目な人多い。
強みを先に、Know your strength
自信と謙虚の並立。
→日本の「自信は悪」「能ある鷹は爪を隠す」
→爪を出さないと分からない。爪立てて、引っ掻いてみろ!つまり、実績出せ!
リーダーの3大責務
・目標必達
・組織の活性化
・部下の育成。
プラス
GEではSelf Developementが求められる。
日本では、階級が上がるほど自分の育成に無関心になる。
GEでは、上の階級の研修のほうが大変。
求められるレベルは上昇する。
毎年同じレベルの努力をしていてもダメ。
当たり前のことだが、これもKnowing Doing Gap。
人を鼓舞してベストを尽くせるようにするためにリーダー必要。
→では、ベストを尽くして何をするのか?
→強い企業になるため。そのためには、すごい戦略と卓越した実行力。
※日本企業、戦略は、経営企画部が考えるという風潮。
卓越した実行力には3つの要素。
p=f( people, culture, mechanism)
人と、文化と、メカニズム
日本企業の多くはこのどれかが欠けている。
特に、「人はいる、制度はある、しかし文化が弱い」パターン。
“culture eats strategy for breakfast”
【mechanism】
mechanism =動的なもの。
system=静的なもの。
systemの上に、それを運営する人が乗っている。
良い制度があっても、良く使われているかどうか?
mechanismはsystemがワークしているもの。
それも、人によって運営されている。
コンサルタントとしての見る目は、人と、文化と、メカニズム。
【グローバルプロフェッショナルになるための三要素】
○知力体力気力
○演繹法と、帰納法
○self awareness
体力…グローバルカンパニーの頻繁な深夜の電話会議
気力…EQ
GEでは、IQはEntry ticket。EQで人材を差別化。
演繹、帰納法…これらの往復運動が人を強くする。
例:
演繹→自転車に乗れるようになるためには、百回転んで練習するところ、乗り方の本を1000冊読んで乗ったら50回で済むかもしれない。
帰納→マネージャー歴10年の経験で学んだ物事。
self awareness…1. 振り返り & 2.人からのfeedback
“perception is everything”
人からどう見られているか?
自分と、人からself awarenessを。
<後半>
すごい戦略と、卓越した実行力。
戦略には問題解決が付き物。
問題解決も大事だが、問題の発見、問題の設定こそ必要。
問題解決…誰でもやっている。ヒラから社長まで。
問題発見…一人一人の中にビルトインしなければならない。
問題解決が上手くいかない原因はなんだろう?
ビジネスを成功に導くための2つの思考。
ゼロベース思考( vs 経験値型)
仮説思考 (vs 状況説明型)
ロジカルシンキング
クリエイティブシンキング
※すごいアイデアは、分析からは生まれない。
直感、ひらめき=右脳
学校教育は左脳を鍛えるもの。
粘土と砂場は右脳。
日本のものづくりや知識経済の強みさえ薄れている→創造性、発想力を。
では、どうやったらひらめくのか?
→分析の蓄積と、問題を常に意識していること。
knowing doing gapをどう埋めるか?
→impulse control
※マシュマロテスト
スタンフォード大学での実験。
我慢できた子供と、我慢できなかった子供を追跡調査すると、その後の人生において有意な差が。
impulse controlは意思決定に影響。
目の前の欲求に負けるか負けないか。
GEが求める人材像は明確に定義されている。
Growth Value;
外部指向
明確で分かりやすい思考
想像力と勇気
包容力
専門性
これらを愚直に信じて実践すれば、すごいリーダーになれる。
多くの会社はこのプロセス踏んでいない。
GEに哲学visionはなかった。
あったのは目標だけ。
目標から、missionができ、visionができた。
また、GEは分権化と、中央集権のふりこのような揺り戻しを繰り返している。
ふりこの揺り戻しは、無いよりあったほうが良い。振れることで、エネルギーが生まれる。
また振れ続けていたほうが良い。ふりこのリズムがないところで、急に触れると大変なことになる。
GE VALUEを持つリーダーとは?
GEリーダー
ビジネスを成し遂げる
変化、変革を起こす
人を動機付ける。
社員全員がリーダーたること。
「リーダーシップは、役職に付いてから発揮するもの」(?)→この考え方は、マネジメントとリーダーシップを混同している。
課長になるまでは、空白の10年なのか?
不確実、曖昧な状況で、どうリーダーシップを発揮するか。→一番大事なのはdecision making 。
※culture eats strategy for breakfast
cultureとは?定義がむずかしく、測定できない。
対して、climate→行動。言動。
cultural changeは難しいが、climate changeは?(あいさつ)
GEはアスレチックジム。
走ってると、上司がスピード上げてくる。give up ボタンは目の前にある。
走り終わると、next machine =promotion。
GEはcorporate athlete を作っている。
【GE value】
growth
performance(成果上げてから口開け)
speed(GEは70%OKなら、GOサイン)
change (nothing fixed。変化に抵抗感があり、acceptanceが無いと成果出ない。出ても、100%では無い。しょうがねえなあ、との妥協はありがち)
stretch
challenge
leadership
commitment
execution
人材開発のメカニズム…キャリアアップの三つの軸
・ビジネス
・geography
・function
【GEリーダー】
2001年以前 2001年以降
現在をつかむ → 未来をつかむ
問題解決 → 機会をつかむ
専門的マネージャー → 成長推進リーダー
1~2年で異動。 → 市場への直観力を深める
以上
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第7回 マーケティング講座議事録
日時:2014年11月15日 16:00~18:00
講師:株式会社野村総合研究所 主席コンサルタント 藤野 直明氏
テーマ:① オムニチャネル・リテイリング戦略の実現
1. 生活者をとりまくIT環境の変化と購買行動
・生活者は購買行動において多様なコミュニケーションチャネルを状況に応じて活用し、
購買プロセスの各ステップにおいてチャネルが変化する。
2. マルチタッチポイント顧客は重要なターゲット
・複数タッチポイントで検討したユーザーの購買確率は高く、購買額も大きい(約3倍)
・全てのタッチポイントでブランド価値に差が出ない様に、共通のおもてなしを行う
ことで顧客ニーズを満たす。
→今後縮小していく日本市場において、ロイヤリティの高い重点顧客を囲い込みする
ことが必要。
3. マルチタッチポイント顧客への対応:オムニチャネル・リテイリング戦略とは?
・顧客はあらゆるタッチポイントから情報を入手し、統一な購買体験を得る。
・小売業はチャネル横断型の商品・購買履歴・販促・受注管理を行う。
・「店舗」を中心とした考え方から「(小売)ブランド」中心の考え方へ変化。
・統一ブランドとしての小売業がおもてなしの力を発揮し、高い顧客満足を獲得する。
・「おもてなし力」=「リアルタイム・パーソナライゼーション」タイプのサービス
→ BIGデータを活用してリアルタイムに顧客が望む商品を探索・情報提供を行う
4. 容易ではないオムニチャネル・リテイリングへの対応:2つの大きな課題
1) システム構造の対応が容易ではない
→販売チャネル、業務の枠を超えたシステム・情報の連携が必要
2) チャネル別の組織構造はマーケティング段階での連携が希薄
→マーケティング統括組織が各チャネルを統括させる
5. オムニチャネル・リテイリング戦略立案の重要性
・中期経営戦略には不可欠な視点であり、経営直下にタスクフォースを構築して
早期に検討を始めるべき
テーマ:② マーケティング戦略を俊敏に実現する戦略実行計画(S&OP)
1. S&OPの背景
・グローバル経営における日本企業に多く観察される弱点の1つは「俊敏経営を実現する戦略実行力」
→地域や機能(マーケ・開発・生産等)横断型の「統合的な戦略実行計画」を立案し
計画を機敏に調整し続けることで環境変化に対する俊敏な適応力を獲得する。
2. S&OPとは(Sales&OperationsPlanning)
・グローバルな生産供給ネットワークは複雑であり絶えず変化にさらされている。
供給ネットワークの最適設計、設備投資の意思決定は容易ではない。
・S&OP=戦略実行計画として、グローバル最適な経営意思決定を俊敏に行う。
・特徴は 1)組織・機能横断の統合計画 2)金額と数量を併せて管理 3)ローリング型の計画管理 4)経営レベルの意思決定 である。
・ローリング型経営計画とは、事業計画を月次でローリングし、中長期の経営意思決定を毎月行うことである。(日本企業は絶対できないと言う)
・S&OPによるマネジメント機構をCEO直下に設置し、グローバル最適で機敏なオペレーションを確立することが必要となる。
以上